一、百年以上持つ建物をつくる

 木が育ち、良材となるには八〇年以上の時間が必要です。また職人衆が技を出し合い、手間をかけてつくる建物は使い捨てでは困ります。

最低でも次の木が育つまでの一〇〇年以上持つよう、丈夫で単純な建物形状、工法、素材を徹底しています。

二、曲がり木を組む

 海沿いの旧紫雲寺町にはかつて一面の松林がありました。そして風によって曲った松を用材として使うための技がありました。その技を受け継ぎ、曲った丸太をマサカリでなぐり、チョウナで仕上げ、金物を使わずに組み上げます。
その独特の風合いと力強さは我々の建物の持ち味となっています。

三、設計の大切さ

 大工の技と同じくらい大切なのが設計です。 丈夫なことはもちろん、敷地の持っている条件を読み、使い勝手、採光、通風、防災の全てを満たし住み心地良く、かつ見た目が美しくなければ施主様が一〇〇年残したいとならないからです。我々は、設計者、大工、施主様と三者が納得するまで設計を詰めていきます。